2011/04/07

災害に関する主な税務上の取扱いと義援金に関する税務上の取扱い

こんにちは。海津です。 

東北地方太平洋沖地震災害で、犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

今回は、災害に関する主な税務上の取扱いと義援金に関する税務上の取扱いについてです。

1. 災害に関する主な税務上の取扱

(1) 取引先に対する災害見舞金等

法人が被災前の取引関係の維持・回復を目的として、取引先の復旧課程においてその取引先に対して行った災害見舞金の支出・事業用資産の供与等のために要した費用は、交際費等に該当しないものとして損金の額に算入されます。

(2) 取引先に対する売掛金等の免除等

法人が、災害を受けた取引先の復旧課程において、復旧支援を目的として売掛金・貸付金等の債権を免除する場合には、その免除することによる損失は、寄附金又は交際費等以外の費用として損金の額に算入されます。

(3) 自社製品等の被災者に対する提供

法人が、不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、寄附金又は交際費等に該当しない(広告宣伝費に準ずるもの)として損金の額に算入されます。

 2. 義援金に関する税務上の取扱い

(1) 県の災害対策本部や義援金分配委員会に対して義援金を支払った場合の税務上の取扱

個人の方が義援金を支払った場合は、「特定寄付金」に該当し、寄附金控除の対象となります。

法人が義援金を支払った場合は、「国等に対する寄附金」に該当し、その全額が損金に算入されます。

(2) 日本赤十字社の「東北関東大震災義援金」口座に対して義援金を支払った場合の税務上の取扱い

個人の方が義援金を支払った場合は、「特定寄付金」に該当し、寄附金控除の対象となります。

法人が義援金を支払った場合は、「国等に対する寄附金」に該当し、その全額が損金に算入されます。

(3) 被災地域の救援活動や被災者への救護活動を行っているNPO法人に対して義援金を支払った場合の税務上の取扱い

個人の方が「認定NPO法人に対する寄附金」として支払った義援金「特定寄付金」に該当し、寄附金控除の対象となります。

法人が「認定NPO法人に対する寄附金」として支払った義援金は、「特定公益増進法人に対する寄附金」に含めて損金算入限度額を計算し(特別損金限度額)を計算し(特別損金限度額)、その範囲内で損金に算入されます。

(4) 認定NPO法人以外の法人等に対して義援金を支払った場合の税務上の取扱い

個人の方が「公益社団法人・公益財団法人(その法人の主たる目的である業務に関連するものに限ります)」に支払った義援金は、「特別寄附金」として寄附金控除の対象となります。

法人が「公益社団法人・公益財団法人(その法人の主たる目的である業務に関連するものに限ります)」に支払った義援金は、「特定公益増進法人」に対する寄附金として、特別損金限度額の範囲内で損金に算入できます。

(5) NPO法人(認定NPO法人でないもの)職場の有志で組織した団体などの人格のない社団等に義援金を支払った場合の税務上の取扱い

個人の方が「NPO法人(認定NPO法人でないもの)職場の有志で組織した団体などの人格のない社団等」に義援金を支払った場合は、寄附金控除の対象となりません。

法人が「NPO法人(認定NPO法人でないもの)職場の有志で組織した団体など人格のない社団等」に義援金を支払った場合は、一般の寄附金として、損金算入限度額の範囲内で損金に算入できます。

震災から3週間が経過しました。被災された皆様が1日でも早くもとの生活に戻れますようにお祈りしております。