2015/09/16

利子割の廃止とは

こんにちは。張間です。

今回のテーマは法人に対しての利子割の廃止について書いていきます。
結論から言いますが、平成28年1月1日から法人が平成28年1月1日以後に受ける利子等に係る税金、通称「利子割」の課税が廃止されることになりました。

「いきなり利子割と言われても。」となりそうですが、ではまず「利子割」とはどのような税金でしょうか?
利子割とは、銀行等から利子等(公社債、預貯金の利子、懸賞金等のほかに抵当証券、金投資口座等)の支払いを受ける際に課される地方税です。お持ちの預金通帳を見て頂くと利子等が入金されているかと思います、その入金されている金額はすでに税金分が引かれている金額となります。「税金引かれてたの」と思われた方もいらっしゃるかとは思いますが、利子等の入金の際には地方税5%(別に所得税等が15.315%)が徴収され、各都道府県等に銀行等を通じて納付されています。ただ、現在は利率が低く、もらえる利息も少ないですし、この利子割の制度が廃止されようが何も影響しないのではと思われるかもしれません。

では、なぜ法人に対する利子割廃止になったのでしょうか?

最大の理由としまして、事務負担の軽減と税金の無駄遣いの解消ということがあげられます。
 法人に対して課せられる利子割は、利子等の支払いの際に徴収される利子割と、利子等が法人の課税所得に含まれ課税される法人税割との二重課税の問題が発生することになります。この二重課税を排除するため、現行制度では、法人は所在都道府県ごとの利子割額を計算・申告し、黒字法人の場合は法人住民税から利子割額を控除して納税、赤字法人の場合は還付を受けることになります。
利子割は法人ごとの事務処理となりますので、現状では多大な事務負担がかかります。また数円程度の税金を還付するために数百円の振込手数料を税金から払う現状もありましたので、その解消となった背景があります。
なお、法人に係る利子割が廃止されても、法人の受け取る利子等は、その法人の所得として法人税割が課税されるため、法人の税負担は変わらない事になります。

松岡会計事務所 張間